本日、3月4日。郡山図書館の3階で磐梯山噴火記念館館長の佐藤公さんの講演がありました。
講演のタイトルは「磐梯山とブラタモリ」
この講演、予想以上に内容が濃くて参加して本当に良かったです。
講演内容をそのまま書いてしまうといろいろ問題があるので、印象に残ったところをいくつか紹介します。
①東日本大震災の余震は10年気をつけろ!
東日本大震災から7年が経過しました。少しずつ過去になりつつある東日本大震災ですが、地震の観点からいえば、大地震の余震は10年は油断ができないとのこと。
②火山が一番多い都道府県はどこ?
答えはなんと東京都、東京都は多くの火山を持った島を持っているため。
ちなみに福島県の火山は6つあります。
福島県の火山は、①吾妻山②安達太良山③磐梯山④燧ケ岳⑤沼沢⑥那須岳の6座となりますが、過去最大の噴火をしたのは沼沢だそうです。
③磐梯山は何歳?
磐梯山は70万歳。ちなみに吾妻山は120万歳、安達太良山は50万歳とのこと。
山の寿命は天文学的です。
④磐梯山が噴火すると湖南町に津波が届く?
1888年の地震では、磐梯山の北側の小磐梯が崩れて大きな被害が発生しました。死者477名という大変な災害だったわけです。
この噴火が、将来もし磐梯山南側で発生した場合、大量の土砂が猪苗代湖に流れ込むと湖南町に向かって大変な津波が発生する可能性があるとのこと。
猪苗代湖畔に住んでいらっしゃる方はにも磐梯山の火山については十分な注意が必要という啓蒙がありました。
現在ハザードマップを作製しなおしており、将来いつか来る噴火に備えた対策を検討しているそうです。
⑤5万年前の翁島岩ながれで猪苗代湖ができた。
まだ日本に人類がいなかった5万年前に翁島岩ながれが発生し翁島ができた。磐越西線を郡山から会津若松に向かって走っていくと、電車が翁島を越えたあたりから大きく蛇行し、左手に磐梯山が見えるところがあるが、これは流山の高さが高すぎて電車を蛇行せざるを得なくなったため。
⑥火山で気を付けること
事例1
御嶽山の火山では43歳の女性が九死に一生を得ている。
噴石が時速200~300キロで飛んでくる中、岩陰に隠れて噴石が収まるのを待っていた。噴火から30分後、噴石が落ち着き青空が見えた一瞬。安全地帯まで走り下り助かった。
事例2
63歳カメラマン
隠れる場がない中45リットルのザックを頭に載せてしゃがみ込んで(伏せたのか?)難を逃れた。
噴火の時に、自分は大丈夫と思って写真を撮った方がそのまま亡くなったケースが散見された。危ないときに自分だけは大丈夫と思い込むこと(正常バイアスという心理状態)があるが、自分の心に正直になりリスクに対してはきちんと怖がり、正しく行動することが大切だそうです。
⑦115号線沿いが危ない?
磐梯山の噴火は、土石流となって裏磐梯から流れ落ち、川に流れ込んだ濁流が磐梯山西側まで回り込み大きな被害をもたらしている。
また、安達太良山の火山は沼の平で発生する可能性が指摘されており、土石流・火砕流は沼尻中ノ沢を通っていく可能性があるそうです。
近隣の方は、危なかったらすぐに高台に逃げることだそうです。
⑧ブラタモリについて
・事前に5回のロープレを行った。NHKは完璧な準備をして撮影に臨んだ
・本当は磐梯山南側の翁島の斜面を紹介したかったがNHKで却下(タモリさんは喜びそうな地学の話ができたが、専門的過ぎて却下となったようです。)
・銅沼を見に行くシーン。下から登ったように見えているが、タモリさんと近江アナウンサーは4駆でスキー場の上部まで登っていた。
・番組終わってから、天鏡閣には大勢の人が訪れるようになった。山塩は売り切れ状態が長く続いた。銅沼トレッキングの人が倍増。裏磐梯高原ホテルは高級ホテルにもかかわらず予約が取れない。磐梯山噴火記念館は少し人が増えました。
とのこと。
本当に面白いお話でした。
2時間の講演でしたので、まだまだ面白いお話をたくさん聞くことができました。
怖い火山のお話でしたが、火山の恩恵(温泉、金属、観光、自然)についてのメリットも併せ持つ火山の魅力もたくさんPRしてくださいました。
佐藤さんは、磐梯山噴火記念館にいらっしゃるので、ぜひ勉強に一度は訪れてお話をお聞きになってみてください。
立体模型を使って火山の土石流の方向をシミュレート
