懇意にさせていただいております会津の山の会にお誘いいただき、平ケ岳に登ってきました。実は平ケ岳については日本百名山という以外これといった知識がなく、自分の中では、ノーマークの山でした。
山岳雑誌は夏になれば、それこそ北アルプス特集しかやらず、読者憧れの山は、北、南アルプスに集中し、それ以外の山はおまけ程度にしか紹介されません。雑誌の記事は(部数を伸ばすために)偏向もありますが、としも知らず知らず高い山、人気のある山に目が向いていたような気がします。ということで、今回の山行のお誘いを頂いた時も、
「平ケ岳?えっ?どんな山だっけ」とまずは情報を調べるところからのスタートになりました。
ところが、この平ケ岳。ネットで調べれば調べるほど結構大変な山だということがわかってきました。
曰く検索で出てきたキーワードは
「最難関へのチャレンジ」
「最低最悪の百名山」
「日帰り最難関の山」
「奥利根源流の秘境の山」
「避難小屋なしトイレなしテント泊原則禁止」
「まともな水場がない」
出るわ出るわです。
お誘いいただいた、山の会の会員でもありとしの山の師匠にもすぐ電話をいたしました。
とし「山の情報確認しました。大変な山ですね。大丈夫ですか?」
Tさん「大丈夫だ。登りは短距離の林道がある。縦走だから下りは少し歩く」
まあ、なんとかなるだろうということで、その日を迎えます。


9月14日の土曜日、この日は移動日となります。としは郡山駅前から高速バスに乗り会津に向かいました。バスはほぼ満員。この日は三連休の途中ですからさすがにバスも込み合っています。としの後ろでは東京から来た3人のおじさん達が会津若松についていろいろ話し合っていました。聞く気はないのですが、おしゃべりが耳に入ってきます
A「会津ではね。コンビニが少ないんだよ。コンビニ見つけるのが大変だ」
B「コンビニ少ない街なのね?飲み物どうやって買おう?」
C「さすがに自動販売機はあるでしょ。」
A「酒はかえないよね?」
B「コンビニなかったら酒買えないね」
あんまり真面目に話しているので、そこまでナーバスになる必要ないのにと、前の席で笑いをこらえるのに必死でした。
AM9:20分 会津若松駅到着。迎えに来ていただいた師匠に待ち合わせ場所まで連れて行ってもらいます。
会津若松からは約4時間弱の行程です。道中の食堂でお昼を食べ、車は桧枝岐から御池へ、そこから峠の細道をうねうねと走り、本日の宿に到着です。

宿に荷物を置き、もう今日は何もすることはありません。宿の近くの只見川で川を見たり、携帯電話の電波を確認したり、小屋のバッジを確認したり、時間をつぶします。
宿にはお風呂(温泉ではない)があります。

南会津(住所は新潟県魚沼市)は、晩夏から秋に変わる前の透明な空気に静かに心うたれます。本当の空は南会津にありました。

宿の中には、日本百名山一筆書きの田中陽希さんの写真も飾られています。

宿入り口のロビー?THE YAMAGOYAです。(^^)/


雰囲気伝わりますか?

初代 清四郎さん(現在は4代目)が使っていた鉾
魚を突いたり、冬眠中の熊を穴に閉じ込め一撃で仕留めるのに使ったそうです。
現在は、ダムのせいで大きな魚が遡上することもなく、小さな魚を相手にするには大きすぎるため部屋のオブジェになっています。
この日はPM9:00就寝。明日はAM4:00出発です。3時起床を確認して眠りにつきます。

翌朝、登山口到着。今回のルートは、いわゆるプリンスルートと呼ばれる中ノ岐登山口からのスタートです。実は、このルートは一般的ではなく地元の民宿に泊まった人だけが送迎してもらえます。
もともとは山一つを買った北海道のある会社の林道だったのですが、皇太子が平ケ岳に登るのに、林道の先に登山口をつくり登山道まで作ったというすごいルートです。(皇太子が歩いたルートはたくさんありますが、そのために作ったルートはたぶんここだけ?)
この送迎かなり大変で、清四郎小屋からかかった時間がなんと1時間30分。何しろ山の裏側に回り込むので大変です。舗装されていない林道は、道幅が狭く、ところどころ沢水がざぶざぶと道路を横切ります。ディズニーランドのアトラクションを見ているようだと思いましたが決して誇張ではありません。
※車中がどのな状況下かは下記の写真をご覧ください。

沢との交錯地点では水も溢れまくってます。

※登山口にはトイレが3つ設置されていました。このコースはトイレがないので、必ずトイレを済ませてから登りましょう。


空に雲はなく素晴らしい登山になりそう。

ところどころに秋の気配です。

キノコに造詣は深くありませんが、色々なキノコが生えています。

一時間歩いてきた時点で、このような標識が・・・・
しかもぴったり一時間の地点です。(^^;

小休止をとりました。宿で前日に握って頂いたおにぎり2つとゆで卵を頂きます。
卵のアルミの堤には、塩が塗してありました。卵おいしい。

高度を稼いでくると山々の姿が現れてきます。

次に現れた標識。応援ありがとうございます。

こういう景色好きです。

ますます高度があがり・・・

たまご石、山頂分岐に到着しました

尾根はもうすぐだ。

山頂尾根筋に到着。一気に開けた視界に息をのみます。
こんなきれいな景色があるんですね。

登りきったところから、平ケ岳のおおらかな柔らかい山頂が見えます。
黄色と緑が交わった草が目の前の斜面を下りて対面の平ケ岳に続いています。
見渡す限り草原のような風景。遠くの草を鳴らしながら、風が尾根を走っていきます。
こんな素晴らしい景色なんだ平ケ岳
あー来てよかった・・・

たまご石に向かいます。

ところどころに池塘が見えます。豊かな水の山でもあるんですね。

たまご石です。どれほどの年月が、こんな石を作ったのでしょうね。

たまご石の先には、池塘が見えました。
あー、本当にいい景色です。

このたまご石で休憩を取り、記念撮影をおこない、いよいよ山頂に向かいます。

紫色のオオシラビソの松ぼっくりです。綺麗な松ぼっくりですね。足元に落ちていたらお土産にしたかったのですが残念ながらありませんでした。
本当に不思議な色の松ぼっくりです。


たまご石から山頂へは木道を歩いていきます。距離は1.3キロくらいですが、目視では結構距離があるように見えますね。

遠く燧ケ岳が望めます。それにしてもいい天気ですね。嬉しい。

どっしりして大きくていい山ですよね。ここからしばらく風景をお楽しみください。



途中、お昼ご飯を食べます。さあ残り僅か

三角点到達


山頂に向かって歩きます。

山頂(?)

少し戻ってニア山頂で寛ぎます。名残惜しいですが帰路は長いのです。
少し急ぎましょう。


下りは景色を楽しみながら一気に下山です。

最後まで景色が楽しめますね


着いた。
その後、桧枝岐の燧の湯で汗を流し、会津若松駅までお送りいただきました。
お手数おかけして申し訳ありません。おかげで最終前の電車に間に合いました。

会津の山の会の皆様。御縁を頂いて平ケ岳にお連れ頂き大変ありがとうございました。
素晴らしい山との出会いができました。感謝です。m(__)m)!)