角幡唯介さんの極夜行を読みました。太陽の登らない真っ暗な闇の世界を北極海を目指して進んだ記録をまとめたノンフィクションです。
角幡唯介さんは、これまでも様々な地域を旅して命の危険にもなんども晒されている探検家です。山にも登りますが、登山家というよりは植村直己さんのような冒険家のカテゴリーが近いように思います。
今回の冒険で角幡唯介さんがチャレンジしたのは、数ヶ月もの間、夜の明けない極夜を北極海を目指して進む行程です。しかもGPSを持たず、月の光や星の光だけを頼りにする闇の世界を進む旅。気温も低く、時にはマイナス30度にもなる極寒や、想像を絶する凶悪なブリザードに度々襲われます。 デポした食べ物が北極熊に荒らされるという最大の危機も起こります。
100%安全な旅は冒険ではないと言った人がいますが、この旅は、100%に近いリスクを抱えての旅でした。死が頭の片隅を絶えず占めるそんな旅を、耐えに耐えて、そして極夜が終わり最後に地上に姿を現す太陽に角幡さんはある過去の経験を重ねます。
この極夜行は本屋大賞(ノンフィクション)を獲得しました。
先日、高尾山を歩いてきた帰りに電車の中で一気に読みました。