
飯豊山に登ってきました。
久しぶりに飯豊山に登ってきました。飯豊山には、これまで5回登っていますが最後に登ったのが2014年9月20日ですからなんと4年ぶりになります。
毎年登っていた飯豊山から足が遠ざかったのには理由がありました。
一番大きかった理由は川入の林道通行止めです。
平成25年7月の大雨の影響により道路が崩落し、川入までの登山口へは、長く通行止めとなっていました。この川入の林道は、それまでも大雨の度に道路が崩れるなど脆弱な状況を繰り返していましたが、平成25年の大雨では道路の一部や橋が崩落し、登山中の登山者の車が川入のキャンプ場に2年も放置されるという事態が発生しました。平成27年4月29日より、山都町一ノ木から山都町川入間の普通車の通行が可能となりましたが、復旧には2年の月日を要しました。
そんなわけで、復活した川入の登山道ですが、ちょっとした強い雨が降ったら林道の崩落があるかもしれない。登山道も荒れてしまっているかもしれない。と心配になり川入の入山を控えていました。(杞憂といえば杞憂でしたけどね)一度ルートを変えて、弥平四郎登山口から大日岳の日帰りなんかもしてみましたが、弥平四郎は樹林帯が長すぎて、登っても下りてもあんまり楽しくありませんでした。
しかし、林道が修復されてから3年が経ちました。この3年の間にも、大きな台風やら低気圧、ゲリラ豪雨にさらされるものの、川入の林道には悪い影響がでていません。もう大丈夫かな?飯豊山。
ということで・・・・久々に行ってみましょう飯豊山

とはいうものの、一番気なるのが当日のお天気です。登山3日前、「WatherNews」と「てんきとくらす」で天気をチェックしますが、飯豊方面は雨の予報です。予報の中には降水確率50%なんという予報もあり、今回は飯豊は無理だな。とあきらめモードで映画を観に行く予定を立てていました。
ところが・・・前日土曜日の夜、何気に天気予報を確認すると降水確率は0%に変わっているではありませんか。
雨さえ降らなければ全然怖いものはない。念のため雨雲チェックもし、雷の心配もないことを確認して、飯豊登山を決断しました。郡山の自宅を夜中の3時に出て高速で会津若松に向かいます。その後はナビに従って川入到着です。
川入の駐車場には14台の車が停まっていました。結構人が入っているな。若干心細かったので少し安心しました。車の中でパンを食べます。時計はAM5:50になりました。出発します。

長い道のりです。今日もゆっくり登りましょう。
今回は荷物を最小にしました。ストーブやガスなどは持たず、食料もそのまま食べられるようなパンやジェルが中心です。本当に必要なものだけをパッキングして、軽量な状態で着実に距離を稼ぐ作戦です。

川入から三国峠までは、定期的にマイルストーンがあり休憩の目安になります。
この感じ、中房温泉から登る燕岳に似てますね。
燕岳も定期的に第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチ、合戦小屋とマイルストーンが続きますが、この川入ルートも、下十五里、中十五里、上十五里、笹平、三国小屋と一定間隔でマイルストーンが続きます。

ピンクのシートが敷かれていました。大きく「ヘリ荷降 目印」と書かれています。
標識の荷揚げか何かするのかな?


ここで小休止。笹平まではひたすら樹林帯の中の急登が続きましたが、少し見晴らしも出てきて気分が高揚しました。
いつもは炭酸水がお気に入りですが、今日は、ポカリスエットを持ってきています。一気にペットボトルの半分を飲み干しました。

笹平から少し歩くと、平坦なところがでてきます。これまでの急登から解放されてほっとします。



登山道から外れてあることは禁止、ストックの石突キャップ装着を徹底すること。という注意書きがあちこちに掲示されていました。飯豊山は東北秘境の山でしたが、近年、憧れの山ベスト10に名を連ねてきており、飯豊山も登山者が増えてきていると聞きます。環境保全が問題になってきているんですね。

あー、歩きやすい。
もう少し進むと秀峰水(水場)です。


飲みかけのペットボトルを飲み干して、新たに水を補給します。粉末タイプのポカリスエットを水に溶かします。飯豊山のこのルートは、この秀峰水と切合の水場から潤沢に水が湧いています。水をたくさん担がなくても登れるので荷運びが軽くて助かります。

三国岳と地蔵山分岐。ここは左に進みます。


雲が薄く広がっていて、その眼下には喜多方の街が見えました。




この剣ヶ峰。そんなに危険な感じはしないのですが、毎年数名の方が落ちて亡くなったり怪我をしたりしています。特に雨の日は岩が滑るので要注意。
昨晩の雨で岩が濡れているので気を付けて進みましょう。このあたりで、単独行の方2名、男女ペアの登山者。計4名の下山者とすれ違いました。
「お気をつけて~」と声を掛け合ってお互いにエールを交換。
振返ると今まで登ってきた峰に雲がかかっていました。

登っていくと、時折り岩壁が道を塞ぎます。鎖があれば直進ですが、見当たらないところは右手に回り込みましょう。剣ヶ峰は道に迷ったら右手に巻きがあります。変なコースに入らないように注意深く進みましょう。

三国小屋に到着すると、管理人さんと食事を作っている登山者の方がいらっしゃいました。
毎回、管理人の方から「日帰り?もったいないね~」と言われますが、今日も全く同じことを言われました。
「日帰り?もったいないね~」 (^^ゞ


おっ!りんどうが咲いている。(^^)/


道は一本道。危険なところもないので安心して歩けます。
登りもきつくないので、距離を稼げるチャンスです。
切合までは急げば1時間かかりません。





ですが、気を抜かなければ全然危険はありません。
道は歩きやすいですね。お天気が良ければ楽しい稜線歩きが楽しめるのですが、残念なことに今日はガスガスです。

切合までもう少しだな・・

あの小高い丘を越えるとまもなく切合小屋が見えてきます。


小屋の前では、出発の準備をする登山者の方が数名いました。
聞くとはなしに、話が聞こえてきます。皆さん昨晩の晩御飯の話をしています。
「ワイン全部飲んだの?」
「いや~半分。まだ半分背負ってます」
「飲んだよね~焼酎は?」
「全部飲みました。なんだかゴミがいっぱいで、登ってきた時よりザックパンパンです」
などなど
山小屋泊りの楽しみのひとつはやっぱり食事とお酒ですかね。

トイレ使用料は100円です。切合にはトイレが3つあって、洋式2つ和式1つになっています。
トイレは水洗のバイオトイレです。しかもご覧の通りトイレはピカピカに掃除されていて町の公園のトイレなど比較にならない快適さ。
今までいろんな山のトイレを借りましたが、綺麗で快適なトイレという観点では飯豊がNO1です。
壁には、
「このトイレを掃除しているのは誰かのお母さん。それを思って綺麗に使って」
「彼女の家でトイレ借りたら綺麗に使うよね?」
「誰かが汚すと誰かが綺麗にしなくちゃならない」
「霊峰飯豊の神様が君をみているぞ」
などなど、啓蒙の言葉(やポスター)が壁に張ってありました。
もちろん感謝して使いましたよ。ほんと、こんな綺麗なトイレを維持してくれる山小屋の皆さんに心から感謝です。



この草の色が透明感のあるオレンジ色に染め上げられていました。とても綺麗でした。

ここも岩場が続きます。距離は短いですが、最大限に用心・緊張して進みましょう。










静かな幸福感に包まれてる(気がする)(^^)







あとひと月もすれば、紅葉で真っ赤になった飯豊山を楽しめそうです。
10月になると、小屋も無人になってしまうので、これから登る方は喜多方市のホームページなどで、ルートの状況。小屋の運営状況を確認してください。
※平成30年の飯豊山の小屋情報はこちら