2018年8月12日 槍ヶ岳に登ってきました(前編)

夏休みに入りました。夏休み直前まで仕事に追われ登山に行く準備もなかなかできませんでしたが、懸念していた緊急の仕事も発生せず無事夏休みを迎えることができました。

夏休みは9連休です。初日は妻の実家へ行き、その日の夜自宅に戻ってから山の準備を整えます。

今回向かうのは長野の名峰、槍ヶ岳です。IMG_3411

8月12日早朝、郡山を出発し長野に向かいます。青春18きっぷで安上がりに移動しようと思いましたが、福島県の郡山市から上高地まで、当日中に移動するためにはどうしても新幹線を使わないと間に合いません。郡山から大宮まではローカル線で移動し、大宮から長野まで新幹線(かがやき)で移動。長野から松本駅、さらに新島々に移動し、さらにバスで上高地まで移動します。

福島県から上高地までは移動で一日がかりです。遠い~。

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【上高地線の車両です】

長野駅で下車し、ICIスポーツで食料を準備しました。長野から松本駅に向かう途中では姥捨駅で日本三大車窓の景色を楽しみます。写真を撮りたかったのですが、対面シートに人がたくさん座っていたので我慢我慢。

松本駅からは上高地線で新島々に向かいます。アニメの車掌さんがなんとういうか、なんというかですね。(^^;

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【バスは空いていました】

時間が遅かったせいですが、バスの乗車率は10%くらいです。ガラガラの車両の2シートを占領しノンビリバスに揺られて上高地に向かいます。

それにして朝自宅を出たのが6時30分、上高地着が18時。なんと12時間弱の移動時間。やはり北アルプスは遠い・・・・

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バスのルートマップのイラストは、エッセイストで山の漫画をかいていらっしゃる鈴木ともこさん。ちなみにバス代は2450円でした。

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【上高地に着いたよ】

上高地やっと到着です。長かった~。ベンチに持たれているザックまでくたびれているように見えます。

さて・・・今日の予定です。

これからすぐに出発して、夜を徹して歩き、槍ヶ岳山頂を目指します。明日の朝いちばんで御来光を迎え、そのまま黒部五郎岳へ歩く、そんな計画でおりました。

せっかくのお休み、せっかくの北アルプス。どうせなら縦走を楽しまないとね。

去年は、中房温泉から燕岳に登り、そのまま表銀座を縦走し、大天井岳、西岳まで一日で到達し、2日目に槍ヶ岳に登る当日が大雨でした。水俣乗越で槍を断念し上高地に戻ってきています。

としは、ピークハンターではないので山頂には執着はないのですが、さすがに今回も登れないと、この遠い地にまた来なくてはなりません。ということで今回は槍ヶ岳のピークに立ちたいと思っています。

上高地でおやき(かぼちゃ風味)を食べて一時間ほど休憩。夜は長い。のんびり行きましょう。いざ出発!行くぞ!槍

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【河童橋人いない】

夕方なので全然人がいません。

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【なんか天気が怪しい】

事前の調査では、北アルプスの槍穂高方面は13日までは、まあまあのお天気予報でした。

気温もそれほど低くならなそう。

なのですが・・・妙に空気が湿っています。空も雲が出始めました。

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【明神館前通過】

上高地から3.2キロ地点です。結構暗くなってきましたね。

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【徳澤に向かう途中】

スタートから誰にも会いません。メジャーなルートですが、夜歩く人はあまりいないようですね。

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【徳澤手前でゲリラ豪雨に出会う】

油断してました。いきなりのゲリラ豪雨にあっという間にずぶ濡れになりました。急いで雨具を着込みましたが、体を濡らしてしまいました。

雨は強く降り続き、雷鳴が鳴り響きます。光と音がずれているのでまだだいぶ遠くで鳴っているようですが、音が高くて、雷鳴が轟くたびにドキッとします。

雨脚も弱らない。

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【10キロ歩いて横尾到着】

横尾手前で写真を撮ります。雨と風に叩かれまくり、体を折って前に進みます。道は川になってしまいました。脛まで足が水に沈むので、ゴアの靴ながら靴下までビショビショになってしまいました。雨が風で叩きつけるように体にぶつかってきます。顔に直撃する雨粒は痛いくらい。雨よりも怖いのが雷です。空に一度に4本~5本の稲妻が縦に走り抜けます。

数秒して闇を切り裂く轟が木々を揺らします。

ドカーン!ドカーン!と大きく爆発するような轟音。こ・・これは怖い。

そうこうしているうちに自身の体調不調に気付きました。

なんか目が辛い。目の奥が痛い。しかも軽い頭痛と吐き気。なにこの体調不良?

横尾を過ぎて槍沢ロッヂに向かって歩きましたが、頭痛と吐き気が収まるどころかますますひどくなってきます。これまずい?というか、かなりピンチです。

この体調のまま山頂に向かうのは危険と判断し、ナイトハイクはあきらめテントで休むことにしました。横尾のテントサイトは雨がひどくて水たまりがあちこちできているので、快適にテントを張れそうな徳澤まで5キロ後退することにします。

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【徳澤に戻ってきました】

こちらは雨も小降りになっていました。

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【テントを急いで作ってます】

テントを速攻でつくり、マットを敷き、シュラフに潜り込みます。

「体調悪い~吐き気が収まらない~」今まで経験したことのない気分の悪さです。

まさか高山病じゃないよね?標高1600mくらいで高山病になるはずはなく、「たぶん仕事の疲れが一気にここで噴出したんだろうなあ。などとぼんやり思います。この体調じゃ、槍ヶ岳は無理だなあ。明日は上高地見物して長野観光をして帰ろう・・・」と考えているうちに、ふかふかのシュラフの暖かさに一気に眠りの世界に沈んでいきました。

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【雨があがった】

早朝5時に目が覚めました。夜中も雨は降ったり、やんだりを繰り返していましたがどうやら今は雨は降っていないようです。

気分は・・・うん、かなりいい。というか相当いい!頭痛や吐き気も消えて体調は万全です。昨日の夜の体の疲れもすっかり抜けた感じです。

眠るっていいですね。すっかり体調戻ってます。ここでもう一度自分に問いかけます。。戻る?登る?

大丈夫。元気。ただ歩いてみて調子が悪かったらすぐ引き返すというマイルールを設定して登ることにしました。

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【あらためて横尾到着】

昨日から行ったり来たりで20キロも歩いています。あーもったいない。

ザックが75lのグレゴリーで重量も15キロほどあります。(縦走を計画していたので、荷物全部積み込むとかなり重くなってしまったんですよね。ピストンするなら駅にデポして置けばよかった)

【お花を見ながら進みます】

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【槍沢ロッヂ到着】

ここでポカリスエットを補給しました。

体調は大丈夫!

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【槍沢キャンプ場到着】

ここを過ぎると徐々に登りが始まります。(今までは林道歩きのようなもの)

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【さあ、水俣乗越と槍ヶ岳分岐到着】

去年は、水俣乗越まで行っておきながら無念の下山をしましたが、今日は槍ヶ岳に行きますよ。(雨でも行きますよ)

【播隆窟到着】

新田次郎氏の著作「槍ヶ岳開山」の主人公 播隆和尚の修行の洞窟です。本来ここまで来ると槍ヶ岳が見えると思われますが、雲が厚く山頂がわかりません。

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【まもなく殺生ヒュッテ】

ぽつぽつと雨が降り始めました。時間もお昼なので、慌てず殺生ヒュッテでお昼を食べましょう。テント場も先に予約しておこう。

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【お昼ご飯】

殺生ヒュッテでは、カレーと牛丼を食べました。どちらも1000円程度で食べられます。朝から行動食だけで動いていたので、おいしく頂きました。

食欲も完全に復活したな。

さて・・・テントを張ったら山頂行ってみますか。

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山頂までは900メートル 標高差は130メートルくらいでしょうか。

30分くらいで山頂行けますね。

ガスが深く、雨も小粒に降っています。

槍ヶ岳山荘着きました!しかし・・・ここからさえも山頂が見えない。

方位を確認して山頂に向かいます。

それにしても山頂に登る人、他にいないの?R0008849

さて行くか この上が山頂

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鎖場とハシゴ場を乗り越えて・・・

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着いた!山頂到着

【山頂独り占め】

ありがとう槍ヶ岳。槍ヶ岳山頂到着です。しかし登山者はとし一人?ガスガスですし、多少雨が降っているから、ほかの登山者も敬遠しているんでしょうか?

何にも見えない山頂はつまらないですね。

一旦、テント場に戻ります。

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ここで、縦走するか?ピストンにするか?再検討します。体調不良で一日行程が遅れてしまったので縦走はきついな。

それにせっかく槍ヶ岳に来たのであれば快晴の槍ヶ岳ピークを楽しみたい。

そう決めたら、今夜は一人宴会です。ながーい夜をビールと読書で過ごすことにしました。

明日は晴れてね。おやすみなさい。

後半へ続く

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