定本 黒部の山賊を読んで 続き

前回からの続き

その日のコースは、沼尻温泉から、沼尻登山口、今は通行できない沼ノ平を抜け馬の背安達太良山頂へ、さらに一旦薬師岳に降りて、再度山頂に戻り、鉄山避難小屋、胎内岩を下りて沼尻に戻るという長めのコースでした。20lのザックに水筒と缶ジュース、お弁当を持って山に向かいました。
その日のお天気は上々、汗をぬぐいながらの登山です。
早朝4時、うす暗い時間に家を出て、山頂に着いたのは8時前だったように記憶しています。
途中通った沼の平の中は巨大なスタジアムの中にいるような雰囲気で、わくわくしながら通り過ぎました。
安達太良の山頂では、年配の登山者二人の方に
「僕は高校生か?一人で登ったんだ。えらいな~」と褒められて有頂天になったのも覚えています。山頂で磐梯山や裏磐梯の湖を眺めながらお弁当です。
とまあ、往路は楽しい山歩きになったのですが、トラブルが発生したのはその日の復路でした。

安達太良山頂から、馬の背、鉄山を越え、しゃくなげの塔のあたりで記念撮影。その後胎内岩を下りたところまでは記憶しているのですが、緩やかな下りを下りていくと、突然左の肩に激痛が走りました。あまりの痛みに一瞬呼吸が止まります。気づくと肩にスズメバチが止まっており、そいつに刺されたようでした。周りには数匹のスズメバチいてこちらを威嚇しています。
マズイ!!一気にダッシュして、とにかく坂を下れとやたらめったに走ります。

どれくら走ったか・・ふと気づくと藪の中にいました。
戻りたかったのですが、ハチが怖くて戻れません。地図もなく、どのあたりに自分がいるかもよくわかりませんでした。とりあえず真西に進めば沼尻スキー場には出られるはずと藪をこぎます。道なき道を必死に藪をこいで進みますが、1分で2~3mくらいしか進めません。
それでも体力があったからでしょう。数時間藪漕ぎをして、小さな沢にでることができました。

沢を下るというのは、登山において道迷いの一番の原因でもあるのですが、「この沢は、小酢川か、中ノ沢川に違いない」と勝手に判断し、とにかく下ろうとがむしゃらに進みます。
どうも、、このあたりで相当冷静さを欠いていたようでした。
ぐんぐん下って行くと、水が叩きつけるような音が聞こえてきました。滝?どうもこの下は大きな滝があるようです。顔から血の気が引きました。自分が下りてきたところを完全に見失っていました。「もしかしたら、相当まずい状況にいる?」

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