十代でこの小説を読んだときに、月山や、山形に対して強い憧憬を抱くようになりました。(まあ、森敦の小説は読み手の好き嫌いがはっきりしていて、好きな人はとことん好き、そうでない人はまったく面白くないと評価が二分される作家でもあるのですが・・・)
たまたま自分は、森敦の小説の世界観に引き込まれてしまったんでしょうね、自分の中で月山は神秘の山になり、憧れの山のひとつになりました。
月山は標高1984m、磐梯朝日国立公園の北端部に位置する山になります。
この地域は、日本特有の豪雪地帯にあり、月山スキー場は夏スキーのメッカになっているところです。
郡山の自宅を出発したのがAM2:00(もちろんこのときは大朝日の登山口である古寺鉱泉を目指しています。)福島経由で国道13号線を、米沢に向かいます。
米沢⇒長井⇒寒河江と車を走らせます。お祭りかなにかの準備でしょうか?町のあちらこちらに提灯がかかっており、歴史ある街並みと相まって目を楽しませてくれました。
(街中の小さな橋の両側に提灯が灯されていたりして、とてもロマンチックな景色でした!)そんなわけで眠気も感じず、ナイトドライブを楽しみました。
郡山から4時間ほど車を走らせましたが、朝日町に入ってから通行止めがあちこちにあり、NAVIに頼って向かっていたものの、ついに15キロ手前の通行止めで行き方が不明になりました。目的地を地図で調べて何度か道を探しましたが、どうにも目的地が見えません。30分ほど道さがしに時間を費やし、ついにこの日の大朝日をあきらめました。
ここから一番近い山といえば、蔵王か月山
なら月山だ!ということで目的地を変更して月山に向かいます。
到着したのがAM7:00
登山口は姥沢口登山口です。ここは駐車場が広いですが今日は、車も数台しか止まっていません。
お天気はとみると残念ながら曇り空。山頂での晴れを期待して山に向かいます。

駐車場から200mほど歩くと、ほどなく登山口に到達します。
登山口すぐのところに、小さな橋がかかっていました。こちらからも登山口に向かえるようですが、道が不案内なのでとりあえず、アスファルトの道を進みます。
この標識を左に向かえばリフトがあります。いきなり400mくらい高度を稼いでくれるそうですが、ここは楽をせず、右に向かって歩きます。
登り始め15分。これから向かう山がすっぽりと雲の帽子をかぶっています。なんか重たそうな雲。本当に晴れてくれるといいなあ。
でも、お天気悪くても、月山に登っているというのが気持ちを楽しく後押ししてくれます。
雲の切れ目から青空ものぞいてきました。ニッコウキスゲの群生が嬉しい。
ニッコウキスギの花は一日花なんですね。朝花を開き、夕方には萎れる。一期一会を感じさせてくれる花です。
ニッコウキスゲのみならず、ミヤマリンドウもあちこちに咲いており目を楽しませてくれました。
山頂まで1.9キロ地点
牛首っていう地名が山ではたまに見かけます。(那須岳でもありましたが)
この牛首は神様である牛頭から来ているんでしょうか?ちょっと物騒な感じがするのは私だけでしょうか。
姥沢登山口と、リフト上駅の分岐に到着です。ここまで2キロ歩いてきました。残り1.5キロです。道が整備されているので、だんだん歩きやすくなります。
雪渓を眺めたり、踏んだりしながら山頂に向かいます。夏スキーに向かわれる方でしょうか?スキーやボードを背負っている人たちを追い抜きました。みなさん重そうな荷物で頑張って歩いておられます。
そういえば、NHKのにっぽん百名山でも月山が取り上げられていましたが、その中で、月山は世界有数の豪雪地帯と紹介されていました。日本有数ではなく世界有数というのが凄いですね。(^^)
木道が終わると、急登になり、徐々に登りがきつくなります。
お天気もいまひとつなので、足元を見ながらしっかり歩きます。
登り始めは暑かったのですが、風も強まりだんだん寒いくらいになってきました。
稜線に出ました。風が強い!周りを見渡しますが、ガスで何も見えません。鳥海山や大朝日岳の方向が示されたプレートで、雲に隠れた山々に思いを馳せます。
頂上が見えました。お天気も少し回復したかな?
月山は、かの松尾芭蕉も登拝したと言われています。
「雲の峰 いくつ崩れて 月の山」の句が有名です。
時間にすると短い時間ではありましたが、雄大な青空が開けてくれました。
雲が形を変えて、ぐんぐん流れていきます。すごい景色!
鳥海山見えないかな?一生懸命に目を凝らしますが残念ながら今日は見ることは、かないませんでした。
月山神社本宮です。
この先は写真撮影NG。500円を払って祈祷を頂いてから入ります。
神主さんの声大きいですね。山頂全体に響き渡るような祈祷を頂きました。
出羽三山、羽黒山、月山、湯殿山は現世、過去、未来に分けられており輪廻転生を意味する信仰の山です。修験者の方も登拝されているとのことですが、今日はいらっしゃいませんでした。
この先、撮影NG
テレビクルーが、天候回復まちで撮影をされています。NHKのクルーらしいです。
一瞬、百名山グレートトラバースの田中さんが、来ているのかなと思いましたが、田中さんは今日は群馬と福島の県境にいらっしゃった様子。(至仏山)
晴れたり曇ったりと落ち着かない空に、いい絵を撮ろうとしているクルーの皆さん大忙しです。
30分ほど、山頂でのんびりした後は下山です。

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石畳が敷かれています。
本当にいろいろな山頂がありますね。大きな山、小さな山にかかわらずいろいろな山頂の表情や、風景に出会えるのが楽しいです。
自分自身の感受性や知識を高めていけば、もっともっと山登りが楽しくなるのかもしれませんね。